ゆる公認心理師ブログ

心理や教育分野についての記事を書いています

就学先や学びの場はどうなっている?

通常学級か特別支援学級

 場面緘黙の子どもたちに限らず、発達面に支援の必要な子どもたちは、就学先を慎重に選ぶ必要があります。ここでは小学校に入るときの就学先について紹介します。
 通常学級はおおむね30人くらいが在籍する、いわゆる「普通学級」です。場面緘黙のお子さんも通常学級に在籍し学校生活を送っていることが多いように感じています。話さないこと以外で困り感のない場合、それなりに問題なく過ごせることもあるのかと思いますが、緘動(固まってしまうような状態)や、必要なことを自分から伝えることができない場合、担任の存在がとても重要です。様子をよく見てくれているか、適切な支援をしてくれるのか、場面緘黙に関して理解があるのか、など担任の力量が問われます。理解のある方であれば、安心して過ごすことができるかと思いますが、理解のない方にあたると、最悪の場合話すことを強要されることもあります。通常学級は子どもの数も多いので、担任の手が回らなくなることも仕方ないのですが、保護者の側から気になる点があれば、働きかけていくことも必要です。
 特別支援学級は、8人1学級です。少人数のため、通常学級に比べると一人一人に目が行き届くといえます。また、特別支援学級で学びながら交流学級という形で通常学級で学ぶこともできます。場面緘黙のお子さんの場合、自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍し、学校生活を送ることもあるようです。しかし、特別支援学級の担任でも場面緘黙についての理解がないこともあるので、必要なことは事前に伝えた方が良いでしょう。

通級指導という学びの場

 通常学級に在籍した場合、通級指導を受けることもできます。通級指導とは、週に1回程度指導を受けられる場のことをいいます。指導の内容は様々ですが、その子が抱えている困難さを克服・改善するための指導を受けることになります。場面緘黙のお子さんの場合、通級指導の中で話せるようになり、そこから通常学級でも話せるようになることがあるようです。話すことを目標にすることもあるかもしれませんが、コミュニケーションスキルの獲得や、自己表現の仕方など、その子の実態に応じていろいろな目標を立てていきます。私が過去に関わったケースでも、筆談でのやり取りから会話へと発展したこともあります。

積極的に支援を受けるべき

 発達障害系のお子さんと同様に、場面緘黙のお子さんに対しても学校の中で必要な手立てを受けられる環境を整えていくことが重要です。就学先の選択はその一つであるといえます。不安や緊張がとても強いなど、お子さんが不適応を起こしているときには、学校に相談しながら、学びの場について考えていく必要もあるのではないでしょうか。いずれにしても、場面緘黙に対してはまだまだ理解されていないことが多いので、繰り返しになりますが、保護者からの働きかけを積極的に行ってほしいです。